社会福祉法人聖ヨハネ学園様 研修会講義in京都


6月22日金曜日、晴天に恵まれた夏の日の京都にて、社会福祉法人聖ヨハネ学園様の主任クラス研修に三浦紀夫事務局長が講師として招かれました。
今回のブログはこの時の様子をご報告させていただきます。


聖ヨハネ学園様は、キリスト教米国聖公会の宣教師リーラ・ブール女史の指導のもと、大阪聖ヨハネ教会の婦人会により孤児救済のために明治22年に創設された貧院(後の救児院)から歴史を積み重ねておられます。
Webサイトでもご案内されているように、聖ヨハネ学園様におかれましては充実した研修制度を企画運営されておられます。
研修は、京都御所西側にあるホテル「ザ・パレスサイドホテル」(京都市上京区烏丸通)にて開催されました。

内容は「福祉現場のグリーフケア」というタイトルで、グリーフケアの定義から福祉現場での実例などを交えて講義を行いました。


講義で三浦も解説いたしましたが、「グリーフケアの定義」について、広報担当の私があらためて感じたことも踏まえて少しふれておきたいと思います。

グリーフとは喪失による悲嘆を意味します。
何かを失ったときに抱く悲しみや嘆く状態・心情ですね。

喪失には大きく3つの喪失があります。
1.身体的喪失…事故や病気などで身体の機能を失う喪失
2.社会的喪失…会社(職場)や家族などの社会的つながり切れたときの喪失

3つ目がスピリチュアル的喪失です。

ここで使われるスピリチュアルという言葉は、医療や福祉の世界で使われるスピリチュアルという用語です。
日本ではなかなかニュアンスとして伝わりにくいですが、いわゆる予言や運勢、交霊術、守護霊との会話のようなものではありません。
非科学的なものではなく学術的に重要なもので、世界では健康の定義として認識されています。
WHO(世界保健機関)で2002年に定められた緩和ケア(緩和医療)の定義を見てみましょう。

“緩和ケアは、生命を脅かす疾患による問題に直面する患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的、心理的、社会的な問題、さらにスピリチュアル(宗教的、哲学的なこころや精神、霊魂、魂)な問題を早期に発見し、的確な評価と処置を行うことによって、 苦痛を予防したり和らげることで、QOL(人生の質、生活の質)を改善する行為である、としているのである。
Wikipedia

このように、スピリチュアルは「宗教的、哲学的なこころや精神… 」とされています。
そこで、宗教家が医療・福祉の現場においてグリーフケアを行うことが望ましいのではないかと感じています。

さらに、医療・福祉施設のご利用者さまや患者さま、そのご家族はもちろんのこと、現場に携われるスタッフのみなさまのケアも必要とされています。

また、三浦はグリーフケア(スピリチュアルケア)を分かりやすく「心のお手入れ」と称しています。
身体が傷ついたらお手入れが必要です。
それと同じように「心のお手入れ」も必要不可欠だと思います。
このように「グリーフケア」は、多くの人々にとってQOL(quality of lifeの略。人生の質の向上)になくてはならないものではないでしょうか。


福祉現場での実例につきましては、三浦自身が実際に自らが体験した様々なエピソードを元にお話をさせていただきました。
聖ヨハネ学園のみなさまは実際に現場で実務に携われているプロフェッショナルだけあって、自分たちの環境や状況等と照らし合わせて受講されているご様子でとても熱心に話しを聴いておられました。

質疑応答でも下記のように、ご自身の実情や体験からご質問をされておられました。
正に医療・福祉の現場でいろいろな職務に真摯に取り組んでおられる方々のご質問だと感じました。

質問1『グリーフケアをされている三浦さんご自身のケアはどうされていますか? 』
三浦「ビハーラ21には理事の中にグリーフケアができる人が何人もいますので、情報を共有し、お互いにケアをし合っています」

質問2『ご相談などを受けて、決断をされるときは何を大事な基準とされていますか? 』
三浦「自分ひとりでは決めないことです。グリーフケアのポイントとして、必ず複数、他職種の人たちの目と耳で関わります。いろんな角度から多角的にみんなで相談し話し合います」


ビハーラ21は仏教を基軸に僧侶がグリーフケア、スピリチュアルケアに取り組んでおりますが、このように宗教や宗派の違いを問わず、講義やご訪問、ご見学等をお受けいたしております。
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ビハーラ21 事務局広報担当 羽田

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