厚労省は「地域共生社会の実現」を盛んに言い出した。
今年度に介護保険法・社会福祉法の改正をし、来年度はそれをふまえた介護・障がい報酬の改定も予告している。
何が変わるのか?
ざっくり言うと、「高齢」「障がい」「子ども」という縦割りの福祉を見直し、生活上の困難を抱える人に包括的なケアするしくみを、地域ごとの特性(事情)に合わせて構築しよう、となるだろう。
行政や専門職だけが福祉を行うのではなく、「地域コミュニティに委ねよう」という策である。
福祉の専門家の間では、「そんなムシの良い話はないだろう」と懐疑的ではあるが、報酬改定を出されると従わざるを得なくなるだろう。
筆者は、数年前から「富山型デイサービス」に着目していた。なぜなら、ビハーラ21が実践してきた「高齢」「障がい」の垣根を超えた支援を、行政が認めていることに驚いたからである。
3人の看護師が始めたこの「富山型デイサービス」こそ、厚労省がにわかに言い出した「地域共生社会」のタネに他ならないのである。
実際に富山で始まってから20年以上が経過している。「縦割りを壊す」ということは、行政が最も苦手とすることだろう。よく踏み切ったというか、そこまで切羽つまっているというか、財務省の影がチラつくというか。
寺に籍を置く者として強く主張する。
この社会の流れを「追い風」にして、地域コミュニティとしての寺を再興させよう。
筆者は、佛道と福祉を一体にして、福祉坊主となっていく所存である。
(投稿者:三浦紀夫)